『黒い仏』殊能将之

黒い仏 (講談社文庫)

黒い仏 (講談社文庫)

7/30読了。今年76冊目。
賛否両論を巻き起こした殊能将之の第三作。殊能将之の小説は中学生のときに『ハサミ男』を読んで以来。『ハサミ男』は叙述トリック初体験だったのでとても感動したのを覚えている。
ベンチャー企業の社長に依頼されて、名探偵石動戯作と助手アントニオは福岡で秘宝を探す。一方福岡では殺人事件が起こり、二人の警官中村と今田は調査に乗り出す。二つの視点で語られるからまた叙述トリックなのだろうかと疑いながら読み進めたけどそんなことはない。
事件の裏には謎の密教っぽい力で戦う勢力があることが徐々に明らかにされ、最後にはちゃんと真相が明かされる。賛否両論と言うくらいだから結末が放り出されるのかと思っていたけどそんなこともない。
解決編は普通に面白いなあと思いながら読んだ。ぼくは本格読みではないので、フェアかアンフェアかとかどうでもよく、何らかのかたちで解決がなされていれば推理小説、そうでなければ推理小説でない、くらいの区別しかない。だから『黒い仏』も普通の推理小説として読んでしまった気がする。
ところでSFが読みたい!で第8位にランクインしているらしいけど、これってネタバレじゃないだろうか。