『共産党宣言』マルクス、エンゲルス

マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)

マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)

3/22読了。今年33冊目。
歴史的に見てまちがった記述がたくさんあると思います。すみません。1848年に出版された共産主義のパンフレット。共産主義を学ぶにはもっとよい入門書が存在するだろうから、歴史的な資料として読むのが妥当な読み方だと思う。
もし現代的な観点から真面目に読んだら、笑ってしまう。それはもう面白い。今はソ連ベルリンの壁も崩壊した21世紀だ。まだ大規模な共産主義の実験が行われていない19世紀ではない。共産主義は大きな可能性を秘めていると思うが、20世紀の数々の失敗を踏まえずに労働者を煽っているのを見ると笑わずにはいられない。
でも、それでいいのだと思う。パフォーマンスというのは、本質的にそういうものだ。人々を煽り、団結意識を奮い立たせ、祭りを引き起こす。思想の本質なんて理解させる必要はない。
共産党宣言』は、世界規模の巨大な運動を引き起こしたパフォーマンスのひとつの形として見るならば、とても面白いのではないかと思う。たった40ページでいったいどれだけの人を動かせるのか。そこに挑戦したパンフレットなんだろう。