『時をかける少女』

時をかける少女 通常版 [DVD]

小学生のときデジモンが好きだったから、そのころから細田守の映像は好きだった。細田守の仮想現実の描写（フラットで淡い色彩とか赤い枠線とか）を見ると、それだけで興奮してしまう。『ぼくらのウォーゲーム』は何十回も見たし、『サマーウォーズ』も劇場に見に行った。それなのになぜか『時をかける少女』だけはまだ見ていなかった。見終わったいまならその理由がわかる。ぼくはこの映画が発する青春オーラが怖くて、ずっと無意識のうちに避けていた、たぶん。もしこの映画を去年や一昨年に見ていたら、辛くて三日くらい現実から目をそらし続けたのではないだろうか。最近は精神的に落ち着いてきているから、なんとか大丈夫だったけれど。
でも冷静になってみると、とてもよい映画だとわかる。SFとしても青春小説としてもアニメーションとしても非の打ち所のない、エンターテイメント性の高い映画だと思う。安易にタイムリープを否定したり肯定したりしていないのには好感を持てる。ぼくは作画についてはよく知らないのだけど、りょーちもの作画したシーンには震えた。ぼくも街を全力で駆け抜けてみたい。