『サマー／タイム／トラベラー 1』新城カズマ

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

12/1読了。
急に時間を跳べるようになってしまった女の子と、それをとりまく高校生たちの物語。彼らは一人一人が知識豊富で、読書家で、ひねくれていて、何気ない日常会話だけでも面白い。その空間はぼくが憧れているものにとても近くて、地方の県立の成績上位層はこんな感じなのかなあ、うらやましいなあ、と妄想してしまった。頭でっかちで個性的で自意識過剰な高校生が集まって、大人からしてみればまったく空虚でどうでもいい議論をしたり、ただの思いつきからプロジェクトをしてみたり、ほんとうに楽しそうでしかたがない。そう思って周りを見てみると、まだ高2なのに受験に熱心な人ばかりでこんな空間とはほど遠くて、惜しいことをしているように感じる。もし実現できたなら、ちゃんと大人になれるような気がするんだけど。