市立図書館の学習室に行ってきた

 日曜日の図書館。閲覧するでもないくせに図書館で受験勉強というのは、たぶんあまり、褒められたことではない。ただ、木良市立図書館には「学習室」というスペースがある。「学生の皆さんはこちらをお使いください」と貼り紙があるので、では遠慮なくと乗り込んできた。許可されればどこへでも大手を振って。これも、小市民的態度のひとつといえる。(『秋期限定栗きんとん事件〈上〉』230ページ)

家から自転車を走らせて約20分。市役所や博物館などが立ち並ぶ市の中央部に、ぼくの市の図書館の本館がある。ぼくがふだん利用している図書館はその分館なのだけど、分館にはぼくが利用できる学習室はない。小学生用と大学生・社会人用はあるのに、中高生のためには用意されていない。そこで調べてみると、本館の方には高校生も使える学習室があるらしい。
土曜日の朝、本を借りに行くついでにその学習室に行ってみた。その図書館にはいままでも何度か行ったことがあるのだけど、学習室の存在にはまったく気づかなかった。本棚が並んでいるのは2階で、学習室は3階。学習室は思った以上に広くて、スーツ姿の社会人や私服の高校生らしき人たちが作業していた。勉強している人もいれば、ノートパソコンを開いて仕事している人もいた。ぼくもそれに加わって家から持ってきた数学の宿題を始めたのだけど、重要な公式を忘れてしまって証明し直すのも面倒になってすぐに帰ることにした。