『松浦純菜の静かな世界』浦賀和宏

松浦純菜の静かな世界 (講談社ノベルス)

松浦純菜の静かな世界 (講談社ノベルス)

9/22読了。今年93冊目。
浦賀和宏「生まれ来る子供たちのために」は、すべての非モテがいま読むべき本だと思う。 - 脳髄にアイスピック
上のエントリに刺激を受けて読んだ。
それとは違う話題だけど、伏線の張り方がかわってると思った。本格推理小説の多くは、記述されるすべてが伏線のように見えて、たくさんまざっているミスディレクションを除外するのが難しく、真相には辿り着けない。それに対して浦賀和宏の伏線は、読んでいるときはまったく伏線のような感じがしない。描写を装飾する一要素として読み流してしまう。謎解きの段階になって初めて伏線だったことに気がつく。これはある種のリアリティだと思う。