『クビキリサイクルー青色サヴァンと戯言遣い』西尾維新

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

7/27読了。今年71冊目。
第23回メフィスト賞受賞作。20歳のデビュー作。
天才5人が孤島に集められて密室殺人が起きる、というストーリー。思っていたよりもミステリーの枠が残っているという以外は、予想通りというか、新本格ミステリーの先にあるライトノベルといったかんじだった。読みやすくて、清涼院流水っぽいキャラクター造型もあり、ミステリーの要素を新本格の枠を守りながらもわかりやすく昇華させていて、ゼロ年代を象徴する作家と呼ばれるのはこういうことかと納得した。
でも、続きを読みたいかと尋ねられると、佐藤友哉の圧倒的な壊れ方と高揚感に比べて物足りない。そして、どうして佐藤友哉は売れなかったのだろう、という問いにまた戻ってきてしまう。もちろん西尾維新には西尾維新の個性があり、とっつきやすいからこそ売れたのだろうけど、この周辺の作家はどうしても佐藤友哉と比べてしまう。