『文学理論』ジョナサン・カラー(荒木映子、富山太佳夫・訳)

文学理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

文学理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

7/17読了。今年66冊目。
岩波書店から刊行されている〈1冊でわかる〉シリーズ(A Very Short Introduction)のうちの1冊。この本でもっとも面白いのは第一章の「理論とは何か?」と補遺の「諸理論の流派と運動」だと思う。「理論とは何か?」は理論(Theory、日本で言う現代思想にあたる)について説明する章。現代思想はあまりに広汎な分野を扱うので、概要を簡単に説明することは難しい。その中で、この章は文学理論を主題とすることで、現代思想がいったい何をするものなのか、実践的にわかりやすく説明されている。巻末につけられた「諸理論の流派と運動」では、その具体例として精神分析学、ポスト構造主義などの主要な思想の簡潔な説明がなされている。1冊読んだだけでなんとなく全体を眺めた気分になれる本だった。