『現代社会の理論』見田宗介

現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来 (岩波新書)

現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来 (岩波新書)

6/9読了。今年55冊目。
情報化/消費化社会から、どのような自由な社会を切り開いていくか、いくつかの問題点を通して読み解く本。先進国で物質的にゆたかな社会が送られる一方で、世界中に飢えに苦しむ人がいる。そういった配分の問題に言及する部分はとても面白かった。貨幣からの疎外より前に貨幣への疎外がある。また、環境の問題(資源の限界)が情報に充足することで解決するかもしれない、というのも、その光景をなんとなく思い描ける。ぼくが老人になる頃にはもうそういった世界へ移行しているのかもしれないな、と楽しみな気持ちと空虚な感じが共存している。