『1000の小説とバックベアード』佐藤友哉

1000の小説とバックベアード

1000の小説とバックベアード

5/25読了。今年50冊目。
第20回三島由紀夫賞受賞作。佐藤友哉は受賞当時26歳。
主人公は小説家とは似て非なる職業「片説家」を首になり、謎の人物や不可解な出来事と遭遇しながらも、文学史と向き合い小説家を目指す話。荒削りで完成度は高くないけど、すごい小説だと思う。純文学も新本格ミステリもライトノベルも巻き込んで「小説」とは何かを考える中で生まれたのだろうと思う。
ネタバレになってしまうからあまり何も書けないけど、ラストシーンは圧巻。きっと佐藤友哉の決意を表しているんだろう。一作一作だんだんと成長して、でもやっぱり成長できなくてっていうのがこの作家の面白いところの一つだから、デビュー作から順番に読んでおけば良かったと少し後悔している。