『空飛ぶ馬』北村薫

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

5/24読了。今年49冊目。
名作ミステリ短編集。文学部に通う落語好きの女子大生と落語家が日常の謎を解き明かすという話。とてもおもしろかった。
とても読みやすい文章なのだけど、ところどころ演出にちょっとこったところがあって、きっと落語からの引用や影響なのだろうと思います。落語に関してはまったくの無知なので、新鮮な感じでした。これは89年の作品で少し昔の話であるのかもしれないけど、女子大生の心理が(もちろんぼくにはまったく縁のない世界で)面白く読めました。ミステリーにおいて推理というものはあくまで推論でしかなく、絶対これというものはない。しかし、その思考のアクロバットが面白い、みたいな話を誰かが話していた気がします(たぶん森博嗣)。この小説を読みながらそんなことを思い出しました。