「機動警察パトレイバー2 the Movie」

機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]

監督：押井守。音楽：川井憲次。
横浜ベイブリッジの爆破事件に端を発する仮想戦争と、その中で荒川という謎の人物に翻弄されながら戦う後藤の姿を描いた映画。
とりあえず率直に言うと、最高に面白い。今までに見たどの押井作品よりも（ほとんど見てないけど）、それどころか今までに見た映画の中でも五本の指に入るくらい面白いと感じた。
何が面白いかというと、まず何が起こっているのかよくわからない。というのも、兵士が銃を抱えて撃ち合うような目に見える形で戦争が現れてこないからだ。実際に行われた破壊活動は少なく、情報が錯綜することで戦争が演出される。まったく軍事用語の知識がない僕には意味のわからないセリフもいくつかあったけれども、そうした混乱までもが、この映画で起こっていることの一部なのかもしれない。
しかし、「危機感を持て」というメッセージ映画では決してない。「いったい何が戦争で、何が平和なのか。そもそもそんなものは存在するのか」という答えなき問いこそがこの映画の主題だと思う。この映画をあと3年早く見ていれば、僕はもっと戦争や政治について考える機会が多かっただろう。でも後悔しても仕方がない。これから頑張って勉強しようと思う。