『近代能楽集』三島由紀夫

近代能楽集 (新潮文庫)

近代能楽集 (新潮文庫)

はやくから謡曲に親しんでいた著者が、能楽の自由な空間と時間の処理方法に着目し、その露わな形而上学的主題を現代的な状況の中に再現したのが本書である。リアリズムを信条としてきた近代劇に対して、古典文学の持つ永遠のテーマを“近代能”という形で作品化した8編の大胆な試みは、ギリシャ古典劇にも通じるその普遍性のために、海外でも上演され好評を博した。

4/13読了。今年33冊目。
健康診断の待ち時間に。去年のこの日は『マクベス』を読んだ。
三島由紀夫で一番面白いのが戯曲、次に評論、最後が小説。そんな話をだいぶ前に2ちゃんねるかどこかで見かけた気がする。小説は何冊か読んだけど、戯曲を読むのは初めて。
古典の能楽を現代風に脚色したものらしい。その色づけのうまさに関しては、今の時代でも十分に読みやすいということくらいしか、無知なぼくには言えない。台詞回しのうまさはさすが、といった感じ。「卒塔婆小町」と「班女」あたりが特に面白かった。