『現代思想のパフォーマンス』難波江和英,内田 樹

現代思想のパフォーマンス (光文社新書)

現代思想のパフォーマンス (光文社新書)

 本書は、これまでにない種類の本である。その目的は、現代思想の概説ではなく、現代思想をツールとして使いこなす技法を実演(パフォーマンス)することである。この一冊には、現代思想に貢献した六人の思想家について、案内編と解説編と実践編が含まれている。
 彼らの思想の方法が、どのようにツールとして取り出され、利用されているのかを読み取りながら、この本を楽しんでいただきたい。     (「まえがき」より)

12/20読了。今年99冊目。
現代思想の著名な思想家6人(ソシュール、バルト、フーコーレヴィ=ストロースラカン、サイード)についてそれぞれ概説した後、実際に何らかの作品を挙げて読み解いてみるという、エンターテイメント性の高い本。それぞれについては『現代思想の冒険』よりも詳しかったと思う。
ラカンは難しくて訳分からなくて、物理の授業中なのに涙が出てきて焦った。そして、ラカンを使って『異邦人』を読み解く部分では、なぜか感動してまた涙が出てきた。やっぱり内田樹は何だかすごい。