『探偵小説のためのエチュード「水剋火」』古野まほろ

7/16読了。今年71冊目。
古野まほろの探偵小説シリーズ1作目。
天帝シリーズに比べると大きくスケールダウンしている。天帝シリーズは1段組で特徴のある美麗なフォントだったが、このシリーズは普通の講談社ノベルスと同じ2段組で普通のフォント。本を開いて字面を眺めたときの印象はとても重要だと思う。
また、ルビの量も大幅に減っている。描写の執拗さや元ネタがまったくわからない引用も減っている。
たぶん戦略として軽いシリーズを書こうと思ったのだろう。でもそれでは本質が失われてしまう。古野まほろの個性はあの過剰さにある。
シリーズの次巻以降はまたの機会を待つことにして、『天帝のみぎわなる鳳翔』に進む。