『マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼』冲方丁

2/27読了。今年21冊目。
実のところ、1巻は地味な展開だったからあまり期待していなかったのが、2巻は熱い。
少年ジャンプもバトル漫画はほとんど読まないくらいだから、ぼくはおそらく戦闘描写にあまり興味がない。だから設定の説明と戦闘が多い1巻はあまり楽しめなかった。だが2巻はまったく違う。
前半は先端技術を活用して作られた、空虚で安全な"楽園"が登場する。そこで三博士の思想対立が説明され、それに対応する形でボイルドとフェイスマンの対話が起こる。これがおもしろい。戦うことで存在価値を証明してきたボイルドの悲しさを知ると、この物語における対立が、複雑な意味を孕んでくる。
後半はカジノでの勝負。もしカジノシーンだけを抜き出してきても十分に楽しめそうな、高密度の賭博対決。カジノシーンは2巻の後半から3巻の前半まで、この物語の大部分を占めるのだけれど、まったく飽きることなく読めた。