『ほしのこえ』

新海誠のアニメ作品を見るのは初めて。『思想地図vol.4』の黒瀬陽平の論考に、壮大な背景のすぐ前にキャラクターが描かれているのが、セカイ系作品の美術面での特徴であるというようなことが書かれていた。『ほしのこえ』もまさにそれに沿っているけれど、それは新海誠の空へのこだわりと、細かい描写をすることができない個人制作の事情によるものだと思った。登場するキャラクターが二人だけ(ぼくときみ)なのも制作人数が少ないからだ、たぶん。セカイ系というのは新海誠の制作環境の反映だと考えると、ストーリーにも魅力を感じられる。