『火事と密室と、雨男の物語』浦賀和宏

火事と密室と、雨男のものがたり (講談社ノベルス)

火事と密室と、雨男のものがたり (講談社ノベルス)

11/5読了。今年113冊目。
八木剛士シリーズの二冊目。
もうすでに次の『上手なミステリの書き方教えます』を読み終わっているからわかるんだけど、この『火事と密室と、雨男の物語』は起承転結の「承」にあたる。『松浦純菜の静かな世界』で始まった物語をもう一歩前に進めて、方法をかためる。つまり、『火事と密室と、雨男の物語』は前作の方法を踏襲し、世界観を説明して、次作以降への伏線を張る。もっというと、『上手なミステリの書き方教えます』への布石であり、この小説自体にはあまり特徴がない。八木剛士の非コミュ非モテっぷりに、自分はまだまだ大丈夫だと安堵しながら読んだ。歪んだ楽しみ方だとは思うけど、でもそうせずにはいられない。