『ウォーターランド』グレアム・スウィフト(新潮クレストブックス)

ウォーターランド (新潮クレスト・ブックス)

ウォーターランド (新潮クレスト・ブックス)

妻が引き起こした嬰児誘拐事件によって退職を迫られている歴史教師が、生徒たちに、生まれ故郷フェンズについて語りはじめる。イングランド東部のこの沼沢地に刻まれた人と水との闘いの歴史、父方・母方の祖先のこと、少女だった妻との見境ない恋、その思いがけない波紋…。地霊にみちた水郷を舞台に、人間の精神の地下風景を圧倒的筆力で描き出す、ブッカー賞受賞作家の最高傑作。

2/6読了。今年10冊目。
 読み始めたのが1月21日だから、読むのに半月くらいかかったことになる。ストーリーは決して退屈ではない(むしろ波乱にとんでいる)けれど、接続詞とか繰り返しとかを多用した文体が眠気を誘う。学校の図書室で熟睡した。アトキンソン家の歴史を読むのには時間がかかった。
 これは「歴史」と「物語」について考える小説なのだと思う。過去を学ぶことはいったいどういうことなのか、ぼくらはいったい何を背負っているのか。フランス革命はただの事実でも物語でもない。
 イアン・マキューアンの『贖罪』を古本で買った。春になったら読もうかな。