『七回死んだ男』西澤保彦

七回死んだ男 (講談社文庫)

七回死んだ男 (講談社文庫)

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎(ふちがみれいじろう)老人——。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは!時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。

7/29読了。今年64冊目。
ぼくがライトノベルに対して抱いていたイメージはまさにこういったものだった。『ブギーポップは笑わない』を読んで少し崩れてしまったが、一冊読んだだけでライトノベルがどういったものか決めつけてしまうわけにはいかない。次は何を読もうと考えていたところへ、意外なところに求めていたものを見つけてしまった。中高生の厭世的な(あるいは中二病的な)語り口で綴られているとか、ミステリーとかSFとかの枠を乗り越えているとか、文字通り「軽い」感じだとか、ぼくはライトノベルに読みもせずに勝手なイメージを持って期待していた。しかし、どうやらそれはライトノベルとはまた少し違った枠だったのかもしれない(もちろんその印象通りのライトノベルもある、という意味で)。
どうして中学生のうちに読んでおかなかったのだろう。絶対当時の方が楽しめたと思うのだけれど。