『2010年宇宙の旅』アーサー・C・クラーク

2010年、宇宙船アレクセイ・レオーノフ号はいま地球を旅立とうとしていた。10年前に遥か木星系で宇宙飛行士4人が死亡、1人が失踪した事件を調査し、遺棄された宇宙船ディスカバリー号を回収することがその任務だった。果たして真相は究明されるのか?そして、木星軌道にいまも浮かぶ謎の物体モノリスにはどんな奇怪な目的が秘められているのか…。前作を上回る壮大なスケールで全世界に興奮を巻き起こした傑作長篇。

この本は映画『2001年宇宙の旅』の続編であり、小説版の続編ではない。この本が書かれたのは1982年だそうで(邦訳は1994年)、『2001年宇宙の旅』から15年がたっている。キューブリックとの確執とか、クラークが死刑宣告を受けた話とかが、訳者の後書きで書かれているのだけれど、これがとても面白い。本編の内容は前作とは少し雰囲気が異なり、ソ連アメリカの融和と、木星とその衛生に関する話などが中心になって描かれている。だいぶん具体的で親しみやすい。