『現代の哲学』木田元

現代の哲学 (講談社学術文庫)

現代の哲学 (講談社学術文庫)

ニイチェが「神が死んだ」と予言した現代は、従来の価値体系が崩壊し、思想史の上でもルネサンスの時代に比すべき大きな転換期をむかえている。そのなかでフッサール、メルロ・ポンティ、レヴィ・ストロースら現代の哲学者たちが、心理学や言語学、人類学などの人間諸科学と交流しながら追求する哲学の新しい方向とは何か。そして彼らが負った共通の課題とは…。人間の存在を問う現代哲学の書。

『反哲学史』の姉妹本*1と言うことで読んでみたけれど、雰囲気はかなり違う。後書きで知ったのだけれど、この本は『反哲学史』の20年も前に書かれたものらしい。つまり1969年で、デリダとかは全く出てこない。それに内容も難しい。ほとんど理解できなかった。初心者が哲学史をぼんやりと俯瞰するのにちょうどよい『反哲学史』と違い、突然知らない言葉が出てきたり、難しい言い回しが使われていたりする。現代思想の性質上仕方ないのかもしれない。『現代思想の冒険』をもう一度読んだ方が良かったような気がする。

*1:『反哲学史』が19世紀まで、『現代の哲学』が20世紀