はじめての構造主義 / 橋爪大三郎

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

西欧文明中心の近代に終わりを告げ、現代思想に新しい地平を拓いた構造主義レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、ソシュール言語学やモースの贈与論。そして遠近法にまでさかのぼる、数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る。

 構造主義の入門書は「寝ながら学べる構造主義」も読んだので、少し比較する。
 まず、この本がレヴィ・ストロースに焦点を絞っているのに対して、「寝ながら学べる構造主義」は広く浅く、バルト、フーコーレヴィ・ストロースラカンソシュールと、体表的なものをさらっている。きっとこの本が、<構造>の説明に重きを置いていることからできた差だと思う。しかしこの本を読むだけではレヴィ・ストロース以外の思想がわからないのでそれは欠点か。
 それと、構造主義のルーツとして有名なソシュール*1を重視していた「寝ながら学べる構造主義」に対して、この本はそれだけではなく数学と遠近法を挙げている。そこら辺も徹底してる。
 どちらが簡単かというと「寝ながら学べる構造主義」かなとは思うけど、高校生なら両方とも余裕でわかると思う。

*1:とはいっても、ほかは「現代思想の冒険」で読んだだけだけれど