沈黙 / 遠藤周作

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

キリシタン迫害史を背景とする緊迫のドラマの中に、神の存在を問い、信仰の根源を衝いて、西洋と日本の思想的対立を鋭くえぐり出す長編小説。谷崎潤一郎賞、ピエトロザク賞受賞。

島原の乱ののちキリスト教禁止令が敷かれ、危険を冒して日本に渡った宣教師はみな殉教したり連絡がとだえたりして、そんな宣教師もいなくなった1650年くらいに3人の若い宣教師が日本に渡ることを決心する、というお話。結末の踏み絵を踏むシーンや、その後の日々の描写に「1984年」と似たものを覚えた。そういえば坂口安吾の短編で、命がけで布教する宣教師の記録があったと思います。