万物理論 / グレッグ・イーガン

万物理論 (創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)

すべての自然法則を包み込む単一の理論、“万物理論”が完成されようとしていた。ただし学説は3種類。3人の物理学者がそれぞれの“万物理論”を学会で発表するのだ。正しい理論はそのうちひとつだけ。映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組を製作するが…学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。究極のハードSF。

 ゴールデンウィークに読みました。紹介文を読むととても難しく思われるけれど、少しずつ丁寧に読めばある程度は理解できました。複雑そうだけれど、物語は終盤で一気に収束していきます。ぼくみたいにSFに詳しくない人でも十分に楽しめる小説だと思いました。
 この小説の世界では、性転換の技術がとても発達していて、強化男性、強化女性、微化男性、微化女性、転男性、転女性、そして汎性(男女どちらにも属さない)などの、多彩な性別を持った人物が登場します。これはテーマの一つになっています。
 翻訳には5年かかったそうです。それだけ読みやすい訳になっていました。翻訳者の人に感謝します。