時計じかけのオレンジ

1971年公開。スタンリー・キューブリック監督。アンソニー・バージェス原作。マルコム・マクダウェル主演。

暴力やセックスなど、欲望の限りを尽くす荒廃した自由放任と、管理された全体主義社会とのジレンマを描いた、サタイア(風刺)的作品。説話上は近未来を舞台設定にしているが、あくまでも普遍的な社会をモチーフにしており、キューブリックの大胆さと繊細さによって、人間の持つ非人間性を悪の舞踊劇ともいうべき作品に昇華させている。原作同様、映画も主人公である不良少年の一人称の物語であり、ロシア語と英語のスラングで組み合わされた「ナッドサット言葉」が使用されている。
皮肉の利いた鮮烈なサタイア(風刺)だが、一部には暴力を誘発する作品であるという見解もある。

先週の水曜日(5月14日)の深夜に見た。冒頭だけ覗くつもりだったのが、気がついたら、最後まで見てしまった。
見終わってからウィキペディアを見て驚いたのが、主人公の設定年齢が15歳。ぼくと同い年だ。
そして、原作の小説で削除されて出版され、そのままこの映画でもカットされたという最終章が気になる。ググったらその章の全文が転がっていたので、原作も是非読みたい。
ロシア語がわからないため、少年の話す言葉もよくわからないものがいくつかあった。小説では注がついているのだろうか。

ディストピアを描いた物語といえば、最近読んだ『1984年』もそうだ。あれは監視社会がテーマだった。『1984年』の恐怖を感じさせる描写に比べれば、これは頭がおかしい感じが表現されていたように感じる。